つや・光沢

つやは、色と並んで物の見えに影響を与える要因の一つです。
色が主として反射する光の分光組成に起因するのに対して、つやは、主として反射する光の空間的・時間的強度変化に起因すると考えられています。

光沢感

物体からの反射光が、均等拡散光だけであれば、その物体の色、形、模様などがはっきり見えて光沢感は生じません。これに表面からの、方向性があって、その物体の色に関係のない表面反射光が加わると、観察する方向によって色やテクスチャーがぼやけたり、他の物体の像が重なって見えるとき光沢感を生じるといわれます。

光沢 (Gloss)

JIS Z 8113:1998 照明用語では、表面の方向選択特性のために、諸物体の反射ハイライトが、その表面に写り込んで見えるような見えのモード、と定義しています。

光沢度 (Glossiness)

光沢度の比較

正反射光の割合や、拡散反射光の方向分布などに注目した、物体表面の光沢の程度を一次元的に表す指標を光沢度と言います。
光沢度には、試料表面の特性、測定の目的、測定の手段によって、鏡面光沢度、対比光沢度、像鮮明度光沢度などがあります。

鏡面光沢度 (Specular Glossiness)

鏡面光沢度 (Specular Glossiness)

鏡面反射光の強さに注目して求める光沢度で、試料の光沢の程度、面の良さ、測定の目的によって鏡面反射角、光源及び受光側の開き角が選定されます。光沢測定が一次的な目的でない場合でも、表面の一様性や、仕上げの程度を判定するため工業的に広く用いられる光沢度です。

対比光沢度 (Contrast Glossiness)

対比光沢度 (Contrast Glossiness)

鏡面光沢度が同じでも、物体の色(明度、彩度)によって視感的光沢が異なって見えることがあります。この様なとき、正反射光と拡散反射光の比で表す対比光沢度が用いられます。

像鮮明度光沢度 (Distinctness-of-Image Glossiness)

ごく高光沢な表面の比較には、表面に何かの像を写して、その鮮明さで判定する事があります。視感的に判定するには、段階的に間隔の異なる縞模様や、大きさの異なるランドルト環を写す方法があります。
 光学的には、正反射方向とそれとごく少し離れた方向の反射光を、ごく狭い開き角で測定し、その比を求める方法があります。
この方法は、反射物体だけでなく、透過物体の透明度の測定にも応用されます。

  • 対比光沢度 (Contrast Glossiness)

    対比光沢度 (Contrast Glossiness)

  • 鏡面光沢度 (Specular Glossiness)

    鏡面光沢度 (Specular Glossiness)

  • 像鮮明度光沢度 (Distinctness-of-Image Glossiness)

    像鮮明度光沢度 (Distinctness-of-Image Glossiness)